さて、独学シリーズもいよいよ大詰めとなりました。
今回は着陸のお作法となります。
空中へ上げた物体は、万有引力の法則により必ず地面に戻ることとなります。
空中の物体となる愛機を万有引力の法則に従いながら落ち方を制御する操作を着陸と言います。
着陸の操作と言っても皆さんは既に「ゴーアンドタッチ」の練習で着陸もおこなっていることになります。
ですので、機体を着陸のコースへ導くことを中心にお話しします。
突然ですが、皆さんは車の運転をしますよね?
車は目的地へ到着したら駐車場へ停めることになります。
その駐車場の枠へ車をバックで入れる時には、まずは前進させ車の頭を振ってバックで入れやすい位置に車を合わせますよね。
位置決めが上手くいった車は次のバックの操作がしやすくスムーズに車庫入れができるはずです。
飛行機の着陸も似たようなもので、着陸コースの位置取りで着陸の難易度が変わってきます。
つまり、最初の段取りが肝心というわけですね。
着陸するには滑走路の延長線上に飛行機を持ってくるのですが、その滑走路の延長線へ飛行機を乗せる前の段階から着陸操作は始まっています。
初心者の皆さんが思っている着陸よりも実際はかなり早い段階で着陸操作は始まっているのです。
着陸させるためには滑走路を目指すわけですが、その滑走路に安全に進入できるであろう高度、速度、位置、向きを逆算することにより操縦が決定します。
ブンブン飛んでいる飛行機をモーションなしでいきなり着陸させるにはそれなりの高等テクニックがあって成せる技と思ってください。
図で説明しますと黒線が飛んでいる飛行機の航路で、①が「ダウンウインドレグ」となります。
追い風状態ですね。
このダウンウインドレグで着陸のための操作が既に始まっています。
飛行機の速度、高度を調整するとともに心の準備をしましょう。
①から②へ向かう旋回をベースターンといい、②のコースを「ベースレグ」といいます。
①から②にかけて一定の降下率で機体の高度を下げていくのが理想的です。
慣れてくるとベースレグを省略し180度ターンで回ったりするのですが、大会などの着陸ではベースレグを作って降ろす必要がある場合があるのでキチンと練習しておきたいところです。
そして②から③へ向かうターンをファイナルターンと呼び、③を「ファイナルアプローチレグ」といいます。
ファイナルに乗せた飛行機は、とにかく機体を水平に保ち一定の降下率で滑走路を目指します。
ファイナル時のスロットルは初心者向けの機体であればほとんどの場合カットとして機体はグライドで飛ばすことになるかと思います。
ですが、これもその時の状況次第なので、向かい風が強ければそれなりにスロットルを入れることになりますし、重い機体、空気抵抗の大きい機体なんかもスロットルを調整しながら滑走路を目指すことになります。
着陸時の的確な操作というものはとにかく経験が必要となります。
危ない!と思ったら即座にスロットルを全開にしてゴーアラウンド(着陸やり直し)をおこなってください。
着陸を一回で決める必要はありません。
僕が思うところですが、機体を地面に着地をさせる際に「フワッと」をイメージするとドン着になりがちで、「滑り込ます」をイメージした方がスムーズにタッチダウンできるように思います。
地面に着地したあとも油断しないように。
着地した直ぐの飛行機は勢いがあり走っています。
地面を走っている飛行機がどちらかにカーブしだしたら、今度はラダーを使い機体を真っすぐ走らせるように操縦します。
2輪式の機体の場合は滑走中に“お辞儀”をしないようにエレベーターを微調整する必要もあります。
飛行機が完全に停止するまでは気を抜いてはいけません。
そして、無事に着陸が完了した暁には自分を祝ってあげてください。
事前にケーキを用意しておくと良いです。
離陸から着陸までソロでできたのなら、それはもう「ラジコンを飛ばせる人」と言ってもいいと思います。
反復練習を繰り返して安定感を手に入れてください。
GOOD LUCK!!
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