前回は滑走路へのコース取りのお話でしたが、今回はコースに乗った機体の高度の調整のお話になります。
まずは図を見ていただき、コース①、②、③を確認してください。
①黒コースが理想的なコースとなります。
常に一定の降下率で進入しています。
実際に上手い人の着陸を見ていると①のように下りてきています。
そして、比較的多いのが②赤コースになります。
ファイナルのスタート位置は①と同じ高度でも、途中でエレベーターを入れてしまっています。
恐らく、タッチダウンまでの距離をエレベーターで調整してしまっているのだと思います。
この着陸は悪いのかと言われれば、悪いですと答えます。
じゃあタッチダウンまでの距離はどう調整するのか。
スロットルを使ってください。
ファイナルでのエレベーター操作は、あくまでも機体姿勢の調整で使います。
エルロンで機体の左右の傾きを修正するように、エレベーターは機体のピッチ角を一定にするために使います。
②のコースをたどると結果的にドン着になることが多く機体を傷めます。
上手いこと辻褄を合わせキレイにタッチダウンすることもありますが、基本的にリスキーだし失敗着陸だと思ってください。
スロットル調整だけではタッチダウンの位置を調整しきれないとなるとファイナル開始の位置取りを見直さないといけないということになります。
もっと高い位置か、もっと近い位置か。
試してみてしっくりくるところを探します。
ファイナルアプローチを開始する位置というのは飛ばしている機体によって変わってくるということになります。
そして一番やってはいけないのが低空から入ってくる③青コースです。
このコース取りをしてしまう人は、「着陸速度を殺したい」と考えているのだと思います。
はっきり言って、このコースでは着陸速度は抑えられません。
このコースはほぼ水平飛行です。
水平飛行を維持するためには速度が必要なのです。
そして着陸するわけだから頑張って速度を落としてエレベーターで吊って吊ってで入ってくるのです。
速度をキッチリ抑えられていないうえに失速寸前になり、極めて不安定な状態になります。
そして、ファイナルが美しくない着陸はタッチダウンの際に飛行機の脚を壊すことが多いように見受けられます。
「この程度で脚が飛ぶの!?」ってときは、悪いファイナルアプローチのお釣りだと僕は思っています。
以前にも書いていますが、着陸操作というのは地面に接地する瞬間だけを言うのではなく、そのかなり前から始まっているということです。
今回の記事でファイナルの位置取りが大事なことが分かったと思いますが、そのファイナルに持ってくる前の「ベースレグ」、更に前の「ダウンウインドレグ」も疎かにできないということが分かります。
1フライトに一回、機体を傷めてしまう可能性がある着陸を必ず行わなければなりません。
自信がないうちは上手な人の指導を受けながら練習する方がいいでしょう。
次回は着陸最終回「タッチダウン」になります。
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